車室内幼児検知システムの開発支援。MATLABによるアルゴリズム開発と現場主導のコミュニケーション改善

車内に残された幼児を検知するシステムの開発支援において、アルゴリズム設計から実機計測・検証まで一貫して担当した事例です。業界でも前例の少ない「子どもを対象とした検知」という技術課題に取り組み、実測データの制約をXYZ座標の論理的仮定で補完するアプローチで開発を推進。また、担当者自らが日次ミーティングを提案・定着させ、チームの進捗を安定させました。

業界初挑戦レベルの技術課題と、慢性化した開発リソース不足

大手自動車関連メーカーを起点とするプロジェクトにおいて、車内に残された幼児を自動検知するシステムの開発が進められていました。呼吸による胸の動きに反応するセンサーが取得する点群データを解析し、人物か物体か、大人か子どもかを識別するアルゴリズムの開発が中核業務です。同種のシステムは業界でも前例が少なく、「子どもを検知する」という仕様そのものが高難度の技術課題でした。また、欧州市場への対応を見据えた開発へとプロジェクトが拡張するなか、対応できる開発リソースが継続的に不足していました。

また、実際の子どものデータを大量に収集しなければアルゴリズムを精度良く構築できないという制約があり、データ取得自体が開発の大きなボトルネックとなっていました。子どもは計測中に静止せず、想定した姿勢のデータが得られないなど、大人を対象とした開発では想定しない難しさが常に存在していました。

現場への深い関与と論理的な設計判断で、未開拓領域の開発を推進

MATLABを用いたアルゴリズム開発を担当し、センサーへの組み込み(C言語変換・書き込み)から実車での動作確認まで一貫して対応しました。データ収集・資料作成・チーム連携の各側面で現場主導の工夫を重ね、長期プロジェクトの安定した推進に貢献しました。

1)論理的な座標仮定によるデータ制約の克服

子どものデータ収集には社内外に協力を呼びかけ、エンジニアの枠を超えた対応を行いました。それでも取得できないシーンについては、センサーが出力するXYZ座標の特性から「この座標範囲には人体が存在しない」という論理的な仮定を設け、不足データを設計上の判断で補完しました。想定と現実の乖離を直視しながら、理論的根拠に基づいて識別ロジックを構築するアプローチをとりました。

2)MATLABからCへ——アルゴリズム開発と実機検証の一貫対応

アルゴリズムはMATLABで開発し、センサーへの組み込み時はC言語に自動変換して書き込む開発フローを担いました。実装後は実際に車両に搭乗してセンサーの挙動を確認し、正常に検知できない場合はC言語コードを直接確認・修正するなど、設計から実機検証まで一気通貫で対応しました。

3)日次ミーティングの提案・定着によるチーム連携の強化

チームのミーティングはもともと週1回でしたが、キャンセルが重なり実質月1回程度になっていました。前例のない技術課題に向き合うなかで認識のずれが積み重なるリスクを感じ、担当者自らサブリーダー・メンバーとの日次ミーティングを提案・定着させました。進捗共有と困りごとの即日相談が習慣化したことで、齟齬の早期解消とチーム内の信頼醸成につながりました。

技術力と伝達力を両立し、プロジェクト担当者からも高評価

3〜4年にわたる長期プロジェクトへの継続参画を通じて、アルゴリズム開発・実機検証・データ収集・資料作成の各フェーズで安定した成果を出し続けました。検知性能をグラフで可視化した資料や、なぜその識別方式を採用したかを説明した資料は「根拠が明確で分かりやすい」と評価されました。また、自ら提案した日次ミーティングがチームの標準的な進め方として定着し、コミュニケーション面での信頼を獲得しました。一部システムはすでにリリース済であり、欧州規制対応を見据えた開発においても引き続き参画しています。

前例のない技術課題に、経験と論理で向き合う

衝突検知やシートベルト認識など、大人を対象とした車内センシング技術は一定のデータ蓄積があります。しかし子どもを検知対象とするシステムは業界全体でも事例が少なく、参照できる先行知見が限られていました。子どもは体格が小さく、かつ計測中に静止しないため、従来の識別アプローチをそのまま適用することができません。

本案件では、取得できないデータを「ないから止まる」のではなく、センサーが出力するXYZ座標の物理的特性から論理的に境界を定め、開発を前進させました。希少性の高い技術領域での実践経験は、同種の課題に向き合う現場にとって再現性のある知見として活用できます。

 

STELAQの技術支援で、未踏領域の開発を前進させます

前例の少ないアルゴリズム開発や、データの制約が多い高度な技術課題において、理論と実機検証の架け橋となります。STELAQは、MATLABを用いた高度な解析から、実車での検証、さらにはチームの進捗を止めないコミュニケーション設計まで、現場主導でプロジェクトを支援します。

このような課題を解決します

  • 参照データが不十分な領域で論理的な仮説に基づき開発を推進したい
  • MATLABからC言語への展開や、実機での挙動確認まで一貫して任せたい
  • 数年単位の長期プロジェクトにおいて、設計・計測・資料作成まで完遂できる即戦力がほしい

 

不確実性の高い開発現場に、確かな技術力と自走する推進力を。貴社のプロジェクトフェーズに合わせた最適な支援を提案します。ぜひ一度ご相談ください。

プロジェクト概要 

クライアント自動車関連メーカー
業種・領域自動車・モビリティ / 車載センサー・検知システム開発
対応領域アルゴリズム設計(MATLAB)・C言語組み込み・実機検証・性能資料作成
成果物一部システムリリース済み。欧州規制対応を見据えた開発に継続参画中

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