Automotive SPICE(A-SPICE)のSYSプロセス群に準拠したシステム要件書・アーキテクチャ設計書を構築。上流工程のドキュメントがなく、開発も先行している特殊な環境下でも、変更を吸収できる設計書作成を実現。使い手の立場を反映した点が特に評価されました。

上流工程ドキュメントが存在しない状態での開発品質確保
大手建設機械メーカーにおいて、新モデルの建機制御システム開発に際し、A-SPICE準拠の品質保証プロセスの整備が求められていました。しかし現場は設計フェーズを省略してソフトウェア実装から着手する慣習があり、上流工程のドキュメントが存在しない状態。加えて、現場エンジニアにはインプット文書を作成する時間的余裕がなく、ヒアリングベースでの情報収集から設計書作成まで一貫して対応できる体制が必要とされていました。
また、プロジェクト開始時点ですでに開発が進行していたため、通常のプロセスとは逆の順序——開発後に設計書を整備するという制約下での対応が求められました
車載開発の経験知をベースに、3つのアプローチで立て直し
車載開発の実務経験を持つエンジニアをリーダーとしてアサインし、A-SPICEのシステムエンジニアリングプロセス群(SYSプロセス)に基づくシステム要件書・アーキテクチャ設計書の作成を担当しました。
1)口頭情報の体系的な文書化
インプット文書が存在しない状況下で、現場の機能別リーダーに対して1〜2時間単位のヒアリングセッションを重ね、口頭で語られた要件を体系的にドキュメント化しました。車載開発の経験に基づきECU間構成や連携方式について設計レベルの議論が可能であったことで、現場から必要な情報を引き出しながら、要件の漏れ・矛盾を事前に指摘・提案。確度の高いドキュメント化を実現しました。
2)変更を吸収する文書設計
開発が先行している状態でのスタートのため、仕様変更が頻発する環境が前提となります。機能変更が生じた場合でも影響範囲を最小化できる記載方式を採用し、変更対応コストを抑えながら文書品質を維持しました。
3)段階的な品質向上プロセス
完成度を段階的に高めていく合意を顧客・チーム双方と形成し、まず達成すべき水準を明確にした上で改善を繰り返す体制を構築しました。完璧主義による停滞を回避しながら、継続的な品質向上を実現しています。

「よく考えられている」——使い手の立場を設計に反映した成果物
リーダー参画から約3〜4ヶ月でシステム要件書・アーキテクチャ設計書を完成。レビュー時に顧客から仕様の利用方法について質問が出た際、想定した利用ケースと設計の対応関係を明示して回答できたことが評価につながりました。単に指示された内容を作成するのではなく、成果物を使用する評価・検証チームの立場を設計に反映した点が特に評価されています。
| 「トレーサビリティがきちんと取れるよう考慮されており、評価項目を作成する担当者が苦労しないよう設計されていて、よく考えられている。」——(大手建設機械メーカーご担当者様) |
STELAQの上流工程支援で、開発品質の土台を整えます
要件定義・アーキテクチャ設計といった上流工程の品質は、その後の開発・検証・品質保証のすべてに影響します。STELAQでは、A-SPICEをはじめとする業界標準プロセスへの準拠を軸に、ドキュメントが存在しない状態からの整備や、開発が先行している環境への対応など、現場の実情に即した上流工程支援を提供しています。
- 上流工程のドキュメントが整備されておらず、品質保証プロセスの構築に着手できていない
- A-SPICE準拠を求められているが、何から始めればよいかわからない
- 要件定義・アーキテクチャ設計を担えるエンジニアのリソースが不足している
- 開発が先行している状態で、設計書を後から整備する必要がある
といった課題をお持ちでしたら、ぜひ一度STELAQにご相談ください。貴社の状況と開発フェーズに合わせた最適な支援プランをご提案します。

プロジェクト概要
| クライアント | 建設機械メーカー |
| 業種・領域 | 建設機械 / 組み込み・制御システム |
| 対応規格 | Automotive SPICE(A-SPICE) SYSプロセス群 |
| プロジェクト期間 | 1年8ヶ月 |
| 体制 | リーダーエンジニア1名 + メンバー2名 |
| 成果物 | システム要件書 / アーキテクチャ設計書 |